「医学管理料って、レセコンが自動で計算してくれるんですよね?」「オーダーを入れ忘れたら、点数はどうなるの?」
そう思い込んだまま日々の業務にあたっていると、つまずきやすい場面があります。
私はレセコンの自動計算をそのまま信じて、返戻をもらいました。その反省から、確認する順番を書きますね。
✅ この記事でわかること
- 医学管理料が点数表のどこに位置づけられているか
- レセコンが自動でやってくれる範囲と、その前提
- 人が確認するべき2つのポイント
- 名前が紛らわしい管理料の見分け方
- 迷ったときに確認したい3つの視点
結論から言うと、医学管理料は「点数の計算」まではレセコンの仕事、「要件を満たしているか」の確認は人の仕事です。ここを取り違えると、算定漏れにも、要件を満たさない算定にも気づけません。
医学管理料って、なに
点数表の中にあるのが「医学管理等」の項目群です。今回いう医学管理料は、この「第2章 特掲診療料/第1部 医学管理等」にある項目群を指します。
診察料や検査料とは別に、管理そのものに点数がつく仕組みです。
多くの項目は、1回の診察で完結する点数ではありません。治療計画に基づいて患者さんに継続的に関わったことを評価する点数、と考えると近いです。
だからこそ、項目ごとの要件も細かくなりますよね。
項目ごとに、対象・実施内容・記録・回数や、同時に算定できない組合せの決まりがあります。
特定疾患療養管理料、外来栄養食事指導料、薬剤管理指導料。どれも「医学管理料」に含まれますが、対象になる患者さんも、確認する記録も、それぞれ違います。
ひとまとめに「医学管理料はこう算定する」とは言えません。
レセコンが自動でやってくれること
レセコンの設定によって、計算や回数チェックを支援してくれることがあります。ただし、入力と設定が正しいことが前提です。
- どの点数を、どの患者さんに入力したか
- 今月、何回目の算定になるか
設定が合っていれば、ここまではレセコンが正確に処理してくれます。私自身、フルリモートで算定業務にあたる中で、この部分に助けられてきました。
一方で、入力そのものがなければ計算のしようがありません。オーダーが出ていない管理料を、レセコンが自分から拾ってくれることはないのです。
💬 「このオーダー、電子カルテに入っていますか。先に確認させてください」
レセプト担当者どうしでも、医師とのやり取りでも、そのまま使える言い回しです。入力の有無を先に確認するくせをつけておくと、あとの流れが楽ですよ。
最後に、人が確認すること
レセコンの範囲がわかったところで、人の出番です。確認したい点は、大きく分けて2つ。
- 必要な記録・入力がそろっているか:治療計画は立てられているか。指導の内容と日付は、カルテに記録されているか
- 要件を満たしているか:対象になる病名か。ほかの管理料と同時に算定できない組み合わせに当たっていないか
回数の数え上げはレセコンの得意分野でも、対象になる病名か、記録がそろっているかの確認までは、レセコンの設定だけでは難しい場面が多いものです。
入力されたものを計算するのがレセコンの役目で、入力していいかどうかを決めるのは人だからです。
計算はレセコン、判断は人。
💬 「この管理料、要件はそろっていますか。記録を一緒に確認させてください」
先輩に確認を頼むときも、自分自身に問いかけるときも、この一言があると迷わず進められますね。
「気づいたら算定していなかった」その仕組み
多くの施設では、医師が指示を出し、カルテに記録し、それをオーダーとして入力して、はじめてレセコンの計算対象に入ります。
このどこか一か所が抜けると、必要なオーダーや入力が漏れます。院内の運用によっては、そのまま算定漏れにつながることがあり、現場でもよく聞く悩みのひとつです。
逆に、電子カルテでオーダーが自動生成される場面もあります。
自動生成される場合でも、対象になる病名や記録の要件を満たしているかどうかは、別に確認する必要があります。自動でオーダーが出ることと、算定していい状態にあることは、イコールではありません。
逆に、見直しが必要なこともある
改定で要件が変わることもあります。
対象になる病名が変わることもあれば、点数そのものが変わることも、新しく確認事項が加わることもあります。
たとえば特定疾患療養管理料は、令和6年度改定で対象疾患の見直しがあり、糖尿病や高血圧性疾患は対象から外れました。脂質異常症は、家族性高コレステロール血症など一部の遺伝性疾患に限られています。
💬 「今回の改定で、この管理料の対象病名が変わっていないか、次の会議までに確認しておきますね」
マスターや確認手順を、改定後の要件に合わせて見直す。ここまでが1セットです。
個別の管理料の算定可否は、対象になる患者さんの状態や施設の条件によって変わるため、この記事では踏み込みません。次回、具体的な管理料をひとつずつ取り上げます。
医学管理等だけでも、項目がたくさんある
「医学管理料は種類が多くて、覚えきれない」と感じたことはありませんか。感覚のとおりで、範囲はかなり広いものです。
| 分類 | 例 |
|---|---|
| 外来での指導・管理 | 特定疾患療養管理料など |
| 栄養に関する指導 | 外来栄養食事指導料など |
| 入院・退院時の薬剤に関する指導 | 薬剤管理指導料、退院時薬剤情報管理指導料など |
算定ナビに収録されているだけでも、B区分の医学管理等は101項目あります。2026-08-07時点の数です。
全部を暗記するより、「何か引っかかったら調べる」姿勢のほうが、長く付き合っていける分野だと感じてきました。
名前が紛らわしい管理料の見分け方
「療養指導管理料」と「薬剤管理指導料」は、似た名前でも言葉の並びと対象が違う組み合わせです。
たとえば遺伝性疾患療養指導管理料は、医師が専門的な指導・管理を行う場面が対象です。薬剤管理指導料は、薬剤師が入院患者さんに関わる薬学的な管理を指します。
関わる職種も、対象になる場面も違います。
名前だけで決めず、区分番号と要件まで、そのつど確認するくせをつけたいですね。
よくある質問(FAQ)
Q. 医学管理料は、レセコンが自動で算定してくれるのですか?
レセコンの設定によって、入力済みの点数の計算と、回数のチェックまでは支援してくれます。
対象になる病名か、記録がそろっているかの確認は、レセコンの範囲外です。
Q. 算定回数の上限を超えたら、レセコンが止めてくれますか?
レセコンの設定によって、上限超えを警告してくれることがあります。
ただしこれも設定とマスターが正しい前提の話で、全ての製品・院内運用で同じ動きになるとは限りません。
Q. 電子カルテでオーダーが自動生成される場合は、確認しなくていいですか?
自動生成される場合でも、対象になる病名や記録の要件までは自動で判定されないことがあります。
オーダーが出ていることと、算定していい状態にあることは別問題です。念のため要件を確認しておくと安心です。
Q. 診療科や病棟によって、確認する管理料は違いますか?
はい。外来中心の管理料もあれば、入院・退院時にしか算定しない管理料もあります。
自分の担当する範囲でよく出る項目から、確認の習慣をつけていくのがおすすめです。
Q. 名前が似ている管理料は、どう見分ければいいですか?
語尾ではなく、言葉の並びと対象で見分けます。医師が行う指導・管理なのか、薬剤師が関わる管理なのか。
区分番号までセットで確認すると、混同しにくくなります。
Q. 算定ナビでは何が確認できますか?
点数表に収録された項目ごとの区分・点数・要件を調べられます。医学管理料の全体像を確認したいときの、調べる手間を減らす目的で私が作りました。
レセコンと人で、確認を分ける3行
- レセコンがやる範囲は、点数の計算と回数チェックまで。入力と設定が正しいことが前提です
- 人が確認する点は、記録がそろっているかと、要件を満たしているか。ここは人の確認が必要な場面が多いところです
- 改定のたびに、対象病名や確認手順が変わることがあります。名前の似た管理料は、区分番号までセットで確認しましょう
医学管理料の項目ごとの区分・点数・要件は、算定ナビから確認できます。今回は広い切り口でしたが、次回は具体的な管理料をひとつずつ取り上げます。
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■ 著者プロフィール
3つの総合病院で医療事務10年以上、うち1院で元採用担当として3年。
現在はフルリモートの医療事務として算定業務を担当。3児の父。
「もうひとりで悩まない医療事務」を届けるため発信中。
最終更新日:2026年8月30日