「実績報告書と中間報告書、うちは両方いるの?」
「様式100を開いたけれど、どの数字から確認すればいい?」
ベースアップ評価料の報告書は、Excelを開いた瞬間に迷いやすい仕事です。数字が多いからではありません。
先に選ぶべき報告書と、見る期間を取り違えると、あとで全部を見直すことになるからです。
この記事では、令和8年8月提出分について、医療事務が最初に確認する順番を整理します。個別の金額や記載内容を断定する記事ではありません。
迷った時に、どの公式資料とどの窓口へ戻るかを決めるための記事です。
この記事でわかること
- 令和8年8月31日までに必要な報告書の見分け方
- 令和7年度実績報告書と令和8年度中間報告書の違い
- 公式Excelを開いてから確認する順番
- 提出後や訂正が必要かもしれない時に、先に確認すること
結論から言うと、数字を入力する前に、「いつから算定したか」「今年8月に出すのはどの報告書か」「厚生労働省の最新Excelか」の3点を確認します。ここをそろえると、分からない項目が出ても、院内で確認すべき資料と相談先が見えます。
この記事を書いた人
ゆう|総合病院で医療事務10年以上|元採用担当3年|現フルリモートで算定業務を担当
この記事は、医科・歯科の保険医療機関向けに確認の順番を整理したものです。保険薬局、訪問看護ステーション、歯科技工所は様式が異なります。最終的には、所在地を管轄する地方厚生(支)局の最新案内と院内の確認ルールを優先してください。
提出前に確認する順番は4つです
まずは、Excelに数字を入れません。
確認の起点は、届出控えです。
厚生労働省の手引きでは、令和8年8月に提出する書類を、ベースアップ評価料を算定し始めた時期で分けています。
前年のファイルを開く前に、算定開始月を院内の届出控えで確かめておきますね。ここが出発点です。
1. いつから算定したかを確認する
令和8年5月以前から算定している保険医療機関は、令和7年度分の「賃金改善実績報告書」と、令和8年度6〜7月分の「賃金改善中間報告書」を確認します。確認する書類は、二つ。
令和8年6月以降に初めて算定した保険医療機関は、中間報告書が対象。
「今も算定しているか」だけで決めないでください。届出控え、受理された評価料、いつから算定したかを並べて確認します。
先に見る欄は、算定開始月です。確認材料は、届出控え。
💬 院内で確認するときのひとこと
「今年8月の報告書を確認したいです。ベースアップ評価料を最初に算定した月と、受理されている評価料を見せてもらえますか」
2. 年度ごとに別の様式を選ぶ
令和7年度分は、病院・有床診療所用と、診療所・歯科診療所用で報告書様式が分かれます。ここが一つ目の分岐です。
令和8年度分は、病院・診療所・歯科診療所共通の「R8実績・中間報告書(病院・診療所用)」を使います。このファイルには様式100があります。
通常は「様式100別添1」です。同一給与体系の法人内で複数の保険医療機関を通算して届出している場合は、「様式100別添2」の対象。ここが二つ目の分岐です。
古いファイルを使い回す前に、厚生労働省の特設ページから最新版を取り直してください。令和8年度の様式は、令和8年7月30日に更新されています。様式選択の基準は、最新ファイル。
ここが分かれ道ですね。
3. 期間と提出書類の種類を先に入れる
令和8年度の中間報告書は、令和8年6月から7月までの算定・賃金改善実績を報告する書類です。令和8年7月から算定を始めた場合は、対象期間が令和8年7月だけです。
令和7年度の実績報告書は、賃金改善を実施した期間と、ベースアップ評価料を算定した期間を確認します。手引きは、この2つの期間を一致させるよう示しています。集計の前に、期間の確認です。
期間が決まらないまま金額を集め始めると、あとから集計の範囲が変わります。まず期間、次に様式、最後に数字。入力前の地図です。
4. 手入力欄と自動計算欄を分けて見る
令和8年度の中間報告書では、「別添2」で届出事項を確認し、「様式100別添1」で中間報告書を選びます。オレンジ色の欄が入力・確認する欄で、薄緑色の欄は自動計算です。
職種ごとの常勤換算数と基本給等総額を先に入れると、対象職員全体の欄は自動計算されます。該当しない項目も、手引きどおり「0」を入れる欄があります。
空欄のままにすると判別式が正しく出ないため、入力前に手引きの該当ページを見直しましょう。入力順の基本です。
入力の前に、色分けを確認です。
見落としやすい箇所は、空欄。
💬 数字を集める前のひとこと
「この欄は、どの月の給与データを使うかを先にそろえたいです。賃金改善の開始月と、比較する給与体系を確認してから集計します」
令和8年8月31日までに見落としやすいこと
令和8年8月31日(月)が提出期限です。提出先は、医療機関の所在地を管轄する地方厚生(支)局の都道府県事務所。送る前に、管轄先の確認を。
締切と提出先の確認。
提出は原則として、公式のExcelファイルをメールに添付して行います。
PDF、圧縮ファイル、独自に加工したExcel、パスワードを設定したExcel、共有リンクだけの提出は受け付けられない案内です。メール本文に書く内容は、医療機関名と連絡先。
提出形式の決まりです。
ファイル名にも医療機関コードと、何年度のどの報告書かが分かる表記が必要です。送信前は、宛先、添付ファイル、年度名、報告書の種類の読み合わせ。提出前の最終確認です。
💬 送信前の読み合わせで使うひとこと
「令和7年度実績報告書と令和8年度中間報告書のどちらを添付するか、ファイル名と年度を一緒に確認してください」
間に合わない時・訂正したい時は、先に決めつけない
提出期限を過ぎた時や、送信後に数字の違和感に気づいた時は焦ります。ただ、報告書の訂正と、診療報酬請求の対応は同じ話ではありません。ここは切り分けが必要です。
「国保ならこうする」「社保なら必ず取下げる」といった伝聞だけで、請求の修正や取下げを決めないでください。
厚生労働省も、受理された施設基準と請求内容に疑義がある場合は、受理された評価項目を改めて確認するよう案内しています。
まず残す記録は、送信したファイル、送信日時、気づいた項目、根拠にした届出控えです。訂正時の記録です。
そのうえで、所在地を管轄する地方厚生(支)局へ、提出状況と訂正に必要な対応を確認します。請求にも関わる可能性がある時は、受理内容、請求内容、レセコンの設定を分けて確認しましょう。
確認先の整理です。
💬 確認先へ伝えるひとこと
「ベースアップ評価料の報告書について、提出状況と訂正が必要な項目を確認したいです。必要な対応と提出先を教えてください」
この順番なら、急いでいる時も「誰が何を決める話か」を混ぜずに済みます。急ぐ時ほど、確認先は一つに絞りますね。
よくある質問
Q. 令和7年度実績報告書と令和8年度中間報告書は、両方必要ですか?
令和8年5月以前から算定している場合は、両方を確認します。令和8年6月以降に初めて算定した場合は、中間報告書が対象です。
最終判断は、届出控えと所在地を管轄する地方厚生(支)局の案内で確認してください。
Q. 令和8年度中間報告書は、何月分を書きますか?
令和8年6月から7月までの算定・賃金改善実績を報告します。令和8年7月から算定を始めた場合は、令和8年7月分です。対象期間の確認が先ですね。
Q. 様式100の別添1と別添2は、どちらを使いますか?
通常は様式100別添1です。同一給与体系の法人内で複数の保険医療機関を通算して届出している場合は、様式100別添2の対象です。届出時に通算していたか。確認の根拠は届出控えです。
Q. オレンジ色の欄を全部埋めても、「賃金改善額充当不足」と表示されます。
中間報告書では、その表示でも提出できる案内があります。ただし、空欄があると正しく判別されません。先にオレンジ色の欄と、該当なしの「0」の入力を見直します。
金額の意味が不明な時は、院内の給与資料と手引きの照合です。
Q. 提出後に誤りへ気づいたら、すぐ請求を取下げますか?
報告書の誤りだけで、請求の対応は決められません。まず受理された評価項目と請求内容を別に確認し、報告書の訂正は地方厚生(支)局へ確認します。
請求の扱いは、院内の担当者やレセコンの案内も含めて、根拠をそろえて判断します。まず根拠から。
報告書は数字より先に、年度と様式をそろえる
- 令和8年8月31日までに、算定開始月から必要な報告書を見分ける
- 令和7年度実績と令和8年度中間は別様式。最新版の公式Excelを使う
- 訂正や請求の話は混ぜず、届出控えと受理内容を確認してから管轄の地方厚生(支)局へ相談する
報告書は、一人で正解を作る仕事ではありません。まず年度、様式、期間をそろえる。そこから数字を確認すれば、相談する時に何を聞けばいいかがはっきりします。
この記事で確認した一次資料
- 厚生労働省|ベースアップ評価料等について、2026年8月30日確認:令和7年度算定分の賃金改善実績報告書、令和8年度算定分の賃金改善中間報告書、様式更新日、提出方法
- 厚生労働省|ベースアップ評価料の賃金改善実績報告書・中間報告書の提出の手引き 医科・歯科版、2026年8月30日確認:令和8年8月提出分の対象判定、様式100別添1・別添2、入力欄と自動計算欄
- 関東信越厚生局|令和7年度賃金改善実績報告書・令和8年度賃金改善中間報告書、2026年8月30日確認:令和8年8月31日(月)の提出期限
関連記事
最終更新日:2026年8月30日