「午前に外来を受診して帰宅、午後に具合が悪くなって同じ科に入院。外来の会計はそのままでいいのか自信がない」
Threadsで、こんな投稿を見かけました。
同じ日にもう一度、が起きた時、算定は1回で数えるのか、2回で数えるのか。迷った経験、ありますよね。
総合病院で医療事務10年以上、元採用担当3年の私が、この判断を1つの基準で整理しました。
この記事でわかること
- 同じ日にもう一度、が起きる3つの場面
- すべてに共通する、たった1つの判断基準
- 場面ごとに算定がどう変わるか
- その場で直ちに入院になった時の明細書の扱い
- 現場でも判断が割れやすいポイント
先に答えをお伝えすると、見る所は、医師の指示で戻ったかどうかの1点だけです。
この記事を書いた人
ゆう|3つの総合病院で医療事務10年以上|元採用担当3年|現フルリモート医療事務|3児パパ
同じ日にもう一度、は3つの場面に分かれる
同じ日にもう一度、という状況をひとくくりにすると、判断を誤りやすくなります。現場でよく出会うのは、次の3つの場面です。
- 検査結果を聞くために、医師の指示でもう一度来院した時
- 新しい症状が出て、自分の判断でもう一度来院した時
- 外来を終えて帰宅したあと、具合が悪くなって入院になった時
3つとも「同じ日にもう一度」ですが、算定の扱いはそれぞれ違います。混同したまま処理すると、あとでレセプトの見直しが必要になることもあるので、注意したいところですね。
見る所は、医師の指示で戻ったかどうかの1点だけ
3つの場面を別々に暗記しようとすると、なかなか頭に入りません。共通する基準は、たった1つ。
医師の指示で戻ったかどうか
指示があって戻ったのか、自分の判断で戻ったのか、それとも診察がひとまず終わったあとの新しい出来事なのか。ここを最初に確認すると、算定の答えが見えてきますよ。
場面別|そのまま使える確認の言葉
場面①「検査結果が出たら、また来てください」と言われて戻った時
💬 確認の言葉:「午前中の指示で戻られましたか」
この指示で戻った時は、最初の受診に続く一連の行為とみなされます。再診料は1回分だけ。検査結果だけを聞きに来た時や、検査を受けに来た時も同じ扱いです。
200床未満の病院では、外来管理加算も2回目は付きません。200床以上は、そもそも外来診療料。加算そのものがありません。
場面②新しい症状が出て、自分の判断で戻った時
💬 確認の言葉:「午前とは違う症状ですか、それとも続きですか」
指示がなく、新しい症状で自分の判断で戻った時は、最初の受診とは別の、新しい受診とみなされます。再診料は2回算定できます。同じ日でも、理由が違えば数え方も変わるということです。
ただし、「中空き時間」の解釈は現場でも割れることがあります。判断に迷う時は、まず院内ルールを確認するのがおすすめです。
場面③診察のあと、入院になった時
💬 確認の言葉:「診察は一度終わって、そのあとご帰宅されていましたか」
一度帰宅したあとに入院になった時は、外来受診がすでに完結しているため、入院とは別に算定します。外来分はそのまま算定し、入院分の入院基本料は別会計。
例外もあります。初診から直ちに入院した時は、入院分のみの明細書に。再診から直ちに入院した場合は、加算は入院の明細書へ記載します。この違いは、記載要領に定めがあります。
なぜこの基準で決まるのか
ここで整理した基準は、厚生労働省「医科診療報酬点数表に関する事項」別添1、初・再診料の通則を確認したものです。
通則2では、初診・再診に付随する一連の行為とみなされる場合として、検査結果だけを聞きに来た場合、往診等のあとに薬剤だけを取りに来た場合、検査や手術の必要を認めたが一旦帰宅し後刻・後日それらを受けに来た場合の3つが挙げられています。
これらは初診料・再診料に含まれ、別途算定できません。「医師の指示で戻った」場面が、まさにこの一連の行為にあたります。
一方、指示がなく新しい症状で戻った時は、この一連の行為に該当しません。別の受診として、再診料を数えられます。
診察後の入院についても、通則4により、入院期間中の再診料は算定できないとされていますが、これは入院前の外来受診そのものを否定する規定ではありません。
一度帰宅したあとの入院は、外来受診がすでに完結しているため、外来分と入院分は別々。
算定の条件を1つずつ確かめたい時は、算定確認ナビから関連する項目を検索すると、厚生労働省の公式資料まで進めますよ。
登録は不要で、正式名称が分からなくても略語やかなから引けます。
よくある質問(FAQ)
200床以上の病院では、扱いが変わりますか?
変わります。200床以上は、そもそも外来診療料。外来管理加算そのものが算定できません。指示で戻った時に「2回目の加算を探す」必要自体がなくなります。
「中空き時間」の解釈で迷ったら、どうすればいいですか?
一次資料の文言だけでは判断しきれない論点です。実務者の間でも解釈が割れることがあるため、院内ルールとレセコンの設定を先に確認するのが安全です。
診察してその場で、帰宅せずに直ちに入院した場合はどうなりますか?
初診から直ちに入院した時は、外来のレセプトを別に作らず、入院分のみの明細書にまとめます。再診から直ちに入院した場合、加算の記載先は入院の明細書です。
診療報酬請求書等の記載要領 第3-1(4)に定めがあります。
患者様に説明する時、何と言えばいいですか?
制度の言葉をそのまま伝える必要はありません。「今日はまとめてのご案内になります」など、会計の仕組みが変わる旨だけ伝われば十分です。
まとめ|見る所は、たった1つ
- 同じ日にもう一度、は3つの場面に分かれる
- 共通する基準は、医師の指示で戻ったかどうか
- 一度帰宅したあとの入院は、外来分をそのまま算定する
- その場で直ちに入院した時は、記載要領の定めに従う
現場では、この基準どおりに判断が揃うとは限りません。迷った時は、この記事を出発点にしつつ、最終的な判断は院内ルールとレセコンの設定で確認してください。