「前も言いましたよね」
「さっき電話でも説明したのですが」
そう返されて、言葉に詰まったことはないでしょうか。
窓口でも、電話でも。
同じ場面は起こり得て、対応するたびに気持ちが少しずつすり減っていく人は少なくありません。
この疑問に、総合病院で医療事務10年以上、元採用担当3年の私がお答えしますね。
正体さえ分かれば、身構えなくて済みますよ。
この記事でわかること
- 「前も言ったよね」と思う時に、実際に起きていること
- 記録で確認する3つ(いつ・誰が・何を)
- 記録があると、対応がどう変わるか
- 記録がない時に、次からできること
結論から言うと、そのイライラの背景には、二度手間よりも「前回の記録が残っていないこと」が重なっている場合が少なくありません。確認漏れや説明内容の変更など、他の理由が重なっていることもありますが、まず見るのは、記録が残っているかどうか。
見るところは、そこです。
この記事を書いた人
ゆう|総合病院3院で医療事務10年以上|元採用担当3年|現フルリモート医療事務|3児パパ
まず知っておくこと|「前も言ったよね」の正体
窓口や電話で、以前伝えた内容をもう一度聞かれる。
珍しい場面ではありません。
患者様が、前回聞いた内容を覚えていないことはよくあります。
「前も言ったのに」と思うのは、自然な反応。
でも、こちらが本当に困っているのは、二度手間そのものというより、前回、何を伝えたかが記録に残っていないことである場合が少なくありません。
記録さえ残っていれば、思い出す作業はほとんど要りません。
その場でそのまま、伝え返すだけで済みます。
確認する3つ|いつ・誰が・何を
電話を切る前に、窓口の会話が終わる前に。
記録が残っているかどうかを、まず1つ確認します。
| 確認する項目 | 残しておくこと |
|---|---|
| いつ | 対応した日を残しておく |
| 誰が | 担当者が分かるようにしておく |
| 何を | 伝えた内容を一言でも残しておく |
対応の最後に、ひとことメモするだけ。
残し方は、病院のやり方に合わせれば問題ありません。
記録があれば、こう伝え返せます。
💬 「前回、◯月◯日にご案内した内容をもとに、あらためてご説明しますね」
記録が見当たらない時は、正直にそう伝えて構いません。
💬 「今日うかがった内容は、次のために残しておきますね」
完璧な記録を目指さなくて大丈夫です。
次から残す。それだけで、次の対応が変わります。
記録があると、対応がどう変わるか
記録があるかないか。それだけで、変わることが3つあります。
対応する側は、内容を思い出す必要がなくなります。
記録を見れば、その場でそのまま答えられますよね。
患者様には、説明が前回と変わらない安心があります。
毎回違う説明をされる方が、むしろ不安なものです。
そして自分自身。
「前も言ったのに」と感じる場面が、確実に減っていきます。
気持ちではなく、記録という事実で対応できるからです。
担当者の交代も同じです。
記録が残っていれば、多くの場合、前の担当者が伝えた内容を引き継いで、同じ説明を続けやすくなります。
💬 「前任の者から、◯◯の件で伺っていると引き継ぎを受けています」
強く不満を伝えられた時も、まずは不快な思いをさせてしまった点を受け止め、内容を確認しながら伝え直せば十分です。
💬 「ご不明な点があり、ご不快な思いをさせてしまい申し訳ありません。あらためて確認しながらお伝えしますね」
記録の残し方は、病院ごとに違っていい
ここまで、記録の残し方について具体的な形は書いていません。
理由はシンプル。病院ごとにやり方が違うからです。
電子カルテの申し送り欄、紙のノート、専用の伝達シート。
どれが正解ということはなく、今の職場に合う方法でかまいません。
まだ決まったやり方がない職場なら、自己判断で始める前に、先輩や上司に一度相談してください。
患者様の情報を扱う以上、病院のルールに沿った残し方を確認してから始めるのが安心です。
大事なのは、形式ではなく「いつ・誰が・何を」の3点です。
これは記録の抜け漏れを防ぐための最低限の目安であり、実際に何をどこまで残すかは、病院の規程に沿って決めてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 前に対応した担当者と、今の担当者が違う場合はどうなりますか?
変わりません。
記録があれば、誰が対応しても同じ内容をそのまま伝え返せるので、担当者が変わることこそ、記録を残す一番の理由になります。
Q. 忙しくてメモを残す時間がない時はどうすればいいですか?
最初は一言だけで十分です。
「◯◯を案内」程度の短い言葉でも、後から思い出す手がかりになります。
Q. 電子カルテと紙のメモ、どちらに残せばいいですか?
病院の運用に合わせてください。
決まりがなければ、先輩や上司に確認して統一するのがおすすめです。
Q. 患者様に「前も言ったのに」と強く言われた場合はどうすればいいですか?
まず、不快な思いをさせてしまった点を受け止めます。
そのうえで、記録を確認しながら内容をあらためて伝えることができれば、感情的に謝り続けたり、必要以上に自分を責めたりせずに対応しやすくなります。
Q. 記録を残す習慣が、まだ職場に根づいていない場合はどうすればいいですか?
先輩や上司に相談し、患者様の情報を扱うルールに沿った形で残し方を決めてください。
役立つと分かれば、少しずつ周りにも広がっていきます。
Q. 何を書けばいいか迷った時は、どうすればいいですか?
「いつ・誰が・何を」の3つだけで十分です。
文章として整える必要はありません。
まとめ|見るのは、記録の有無1つだけ
- イライラの背景には、記録がないことが重なっている場合が多い
- 確認するのは「いつ・誰が・何を」の3つだけ
- 記録がなければ、次から残すだけでいい
窓口や電話での対応に、特別な話術は要りません。
記録という事実があれば、その場でそのまま伝え返せます。
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■ 著者プロフィール
総合病院3院で医療事務10年以上、うち1院で元採用担当を3年。
現在はフルリモートの医療事務として算定業務を担当。3児の父。
「もうひとりで悩まない医療事務」を届けるため発信しています。
最終更新日:2026年8月22日