この記事を書いた人
ゆう|医療事務10年以上 × 元採用担当(3年)
総合病院3院で勤務後、フルリモート医療事務へ転職。
元採用担当として、給与交渉を持ちかけられた経験と、現役医療事務として自分自身も給与交渉した経験から書いています。
最終更新:2026年5月17日
この記事でわかること
- 医療事務でも給与交渉できる3つのタイミング
- 元採用担当が見ていた交渉成功パターン7つ
- 絶対NG3つの交渉
- 伝え方の具体テンプレート(コピペ可)
- 交渉が通らない場合の次の一手
医療事務でも給与交渉できる3つのタイミング
「医療事務は給与交渉できない」は誤解です。
適切なタイミングを選べば、年収を50〜100万円上げた事例を多く見てきました。
タイミング① 転職時(入職前)
最大のチャンスです。
内定が出てから入職までの間に、提示額より10〜20%高い額を交渉できます。
私自身、フルリモート転職時に提示額より15万円アップで決着しました。
タイミング② 評価面談時(年1〜2回)
人事評価面談のタイミングで、自分の貢献を数値で示しながら交渉。
タイミング③ 業務範囲拡大の打診時
「リーダーやってくれない?」「教育担当お願いできる?」と打診された時。
役割追加に対する給与アップを必ず交渉してください。
交渉前に「年収以外のコスト」も棚卸ししておく
具体的な希望額を決める前に、目に見えない「働き方コスト」を棚卸ししておくと交渉の軸がぶれません。
私の場合、前職時代は10年間、片道50kmの高速通勤をしていました。朝6時起き、片道1時間。実際にかかっていた費用は、目安として下記のとおりです。
| 項目 | 私の場合(目安) |
|---|---|
| 高速代 | 片道1,200円 |
| ガソリン代 | 1回約7,000円 |
| オイル等整備費 | 年間36,000円 |
| 通勤時間 | 1日2時間 × 月20日 = 月40時間 |
仮に時給2,000円として、通勤時間40時間は月8万円分の労働に相当します。
ここまで棚卸しすると、「基本給を上げる」だけでなく「在宅日数を増やす」「通勤手当の見直し」も交渉カードになると分かります。
給与交渉は「月給◯万円」だけの勝負ではありません。
時間・通勤・働き方をセットで見直すと、同じ金額でも手取り感がまるで違ってきます。
元採用担当が見ていた交渉成功パターン7つ
パターン① 「数字で語る」交渉
「頑張っています」ではなく「月◯件のレセプトを担当」「返戻率(請求が差し戻される割合)を◯%改善」と数字で。
元採用担当として稟議を通しやすかったのは、数字の根拠がある時でした。
パターン② 「市場相場」を持ち出す
「同業他院の同じ経験年数では◯◯万円が相場のようです」
転職サイトの求人票・転職エージェントの相場情報を根拠に提示。
パターン③ 「業務範囲拡大」とセットで提案
「給与アップ+業務範囲拡大」をセットで提案。
例:「新人教育を担当する代わりに、月1万円のアップをお願いできますか」
パターン④ 「市場価値の証明」
転職活動中の他社内定を提示(実際に転職する気がなくても)。
「他社から◯◯万円の提示をいただいていますが、ここで続けたいので相談させてください」
パターン⑤ 「具体的な金額」を提示
「もう少し上げてください」ではなく「年収◯◯万円でお願いできますか」と具体額。
元採用担当として判断しやすかったのは、希望額が具体的な時でした。
パターン⑥ 「タイミング」を読む
決算前(3月)・人事評価面談時・新年度開始時。
組織の予算編成タイミングに合わせて。
パターン⑦ 「書面で残す」
口頭での約束は曖昧になります。
「議事録を共有いただけますか」と書面化を依頼。
絶対NG3つの交渉
NG① 感情論で迫る
「こんなに頑張ってるのに給料が低い」は通りません。
感情ではなく、数字と市場相場で。
NG② 他人と比較する
「〇〇さんは△△万円なのに」は禁句。
個別の評価基準があり、比較は意味がありません。
NG③ 「上げないと辞めます」と脅す
最後の手段としてもNGです。
信頼を失い、関係性が壊れます。
退職する気があるなら、交渉ではなく退職を進めてください。
伝え方の具体テンプレート
評価面談での切り出し方
今期、◯◯と△△を担当し、□□の成果を出すことができました。
来期はさらに◯◯を担当したいと考えています。
役割拡大に伴い、給与面でも見直しをご検討いただけますでしょうか。
業務範囲拡大の打診への返答
新しい役割をお任せいただけるのは光栄です。
責任範囲が広がるに合わせて、給与面の見直しもセットでご相談できますでしょうか。
転職時の交渉
内定をいただき、ありがとうございます。
提示いただいた条件について、希望する年収まで◯万円のギャップがあります。
私の経験・スキルを考慮の上、年収◯◯◯万円でご検討いただけませんでしょうか。
交渉が通らない場合の次の一手
選択肢① 他の条件で交渉
給与が動かない場合:
- 賞与アップ
- 役職手当の新設
- 研修費・資格取得費の補助
- リモート勤務・時短勤務の許可
選択肢② 半年後に再交渉
「6ヶ月後、◯◯の成果を出した段階で再相談」を約束。
書面で残しておけば、次回交渉時の根拠になります。
選択肢③ 転職で年収アップ
同じ職場で給与が上がらない場合、転職市場で勝負する選択肢。
詳しくは 医療事務の年収を上げるキャリアパス3パターン と 医療事務の転職サイトおすすめ3選 を参考にしてください。
3年後・5年後、給与を上げ続けた人の共通点
ここまで、給与交渉の3タイミング・成功パターン7・NG3・テンプレート・次の一手を整理してきました。
最後に1つだけお伝えしたいのは、「給与交渉は、3年に1回は必ずする」ということです。
何もしなければ、年収は数千円ずつしか上がりません。
3年に1回、自分の貢献を言語化して交渉するだけで、年収は20〜50万円変わります。
3年後・5年後、振り返って「あの時、自分の市場価値を主張してよかった」と思える行動を、今日から準備してください。
「金額そのもの」より、何を取り戻したいかを言葉にしておく
ここまで成功パターンやテンプレートを並べてきましたが、交渉の本当の入口は「いくら欲しいか」ではなく、「その金額で何を取り戻したいか」を自分の言葉にしておくことだと感じています。
私自身、前職で給与に納得できないまま走っていた頃は、「もう少し上がらないかな」と漠然と思うだけで、上司に切り出す勇気もありませんでした。
転機になったのは、月の高速代とガソリン代を全部書き出してみた夜です。
通勤に使っているお金と時間を眺めて、「これは給与ではなく、生活の取り戻しの話なんだ」と腹落ちした感覚がありました。
そこから交渉の軸が変わりました。
「月◯万円上げてください」ではなく、「子どもの寝顔を見られる時間を、もう少し増やしたい」。
そのための手段として、給与と働き方の見直しを並べて相談する形にしたところ、話が前に進むようになりました。
3児の父として今思うのは、給与交渉は「自分の市場価値を主張する場」であると同時に、「家族と過ごす時間をどう設計するかを言葉にする場」でもあるということです。
- 上がった年収でやりたいことは何か
- 減らしたい時間・コストは何か
- 5年後、家族とどんな生活をしていたいか
この3つを紙に書いてから交渉に臨むと、金額の数字だけで終わらない話ができます。
金額が満額通らなくても、働き方の調整で「実質的な手取り感」を取り戻せることも多いです。
給与は、生活を設計する道具のひとつ。
金額の上下だけで気持ちが揺れないように、「何を取り戻したいか」を先に決めておく。
押し通すのではなく、自分の生活を静かに整える。
そのくらいの温度感で挑む方が、私の場合は結果的にうまくいきました。
よくある質問(FAQ)
Q1. 医療事務でも本当に給与交渉できますか?
A. できます。私自身、転職時に提示額より15万円アップで決着した経験があります。重要なのは「数字の根拠」と「タイミング」です。
Q2. 交渉して印象が悪くなりませんか?
A. 適切な交渉(感情論なし・数字根拠あり)は、むしろ「自分の市場価値を理解している」と評価されます。
Q3. パートでも交渉できますか?
A. できます。時給アップ・賞与の新設・有給日数の増加など、複数の軸で交渉可能です。
Q4. 交渉前に準備すべきものは?
A. ①自分の業務範囲と成果を数字でまとめた資料、②市場相場の根拠(転職サイトの求人)、③希望年収の具体額の3点です。
Q5. 上司が交渉に応じない場合は?
A. 上司の上司(医事課長→事務長)まで上げて再交渉。それでも動かない場合は転職を検討。
Q6. 男性医療事務でも給与交渉できますか?
A. できます。性別は関係ありません。私自身、男性医療事務として複数回交渉した経験があります。
Q7. 副業や資格取得で年収を上げる方法は?
A. 業界の許可があれば、医療事務系の副業(記事執筆・教材販売)で月3〜10万円の追加収入が可能です。
Q8. 小規模な総合病院・診療所でも交渉できる?
A. 経営状況や決裁者次第ですが、貢献が見えやすい規模だと結果が出やすい傾向です。経営状況も考慮した上で提案してください。
まとめ
医療事務でも、適切なタイミング・準備・伝え方で給与交渉は通ります。
3つのタイミング・成功パターン7・NG3・伝え方テンプレを準備して、3年に1回は必ず交渉に挑んでください。
3年後・5年後、振り返って「あの時、自分の市場価値を主張してよかった」と思える行動を、今日から始めてください。
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