この記事を書いた人

ゆう|医療事務10年以上 × 元採用担当(3年)
総合病院3院で勤務後、フルリモート医療事務へ転職。3児の父。
元採用担当として、医療事務の中途・新卒採用を3年担当。合否判断の最終段階で「逆質問」が決め手になる場面を何度も見てきました。自分自身も、転職時に逆質問だけで給与帯を引き出した経験があります。その実体験を交えて書いています。

最終更新:2026年5月17日


この記事でわかること

  • 採用担当が「逆質問」で見ている3つのポイント
  • 印象に残った逆質問 7パターン(具体的な聞き方つき)
  • 絶対NGな逆質問 5パターン(不採用になりやすい)
  • 「特にありません」の正しい伝え方
  • 内定が出やすい人の逆質問の共通点
  • 逆質問で年収交渉する裏ワザ

採用担当が「逆質問」で見ている3つのポイント

医療事務の面接で「何か質問はありますか?」と聞かれる時、採用担当が見ているのは「質問の内容」だけではありません。

元採用担当として3年、面接で逆質問を聞き続けた中で、見ているポイントは3つに集約されます。

採用担当が逆質問で見ている3軸(早見表)

観点 不採用に近い質問 採用に近い質問
業務理解の深さ 「残業はどれくらい?」 「月末月初の残業は他の月と比べてどれくらい増えますか?」
職場理解とのバランス 「有給は取りやすいですか?」 「新人さんが有給を取りやすくなるのは、入職何ヶ月目くらいですか?」
定着の意思 「特にありません」 「3年後に活躍する人が、1年目に大切にしていることは何ですか?」

ポイント① 入職後の働き方を「具体的に」イメージできているか

質問の中身から、「この人はうちで働いている自分を、具体的にイメージできているか」を見ています。

たとえば「残業はどれくらいですか?」だけだと、表面的な質問。
「月末月初の残業は他の時期と比べてどれくらい増えますか?」だと、業務理解の深さが伝わります。

ポイント② 自分側の覚悟と職場理解のバランス

質問は「自分の希望を聞くだけ」ではなく、「相手の状況を理解しようとする」姿勢が重要です。

「有給は取りやすいですか?」だけだと、自分の希望偏重。
「新人の方が有給を取りやすくなるタイミングは、入職何ヶ月目くらいですか?」だと、職場の文化を理解しようとしている姿勢が伝わります。

ポイント③ 入職後に「すぐ辞めなさそうか」のサイン

採用担当が最も恐れるのは、入職3ヶ月で辞められることです。

逆質問の内容から「長く続けてくれそうか」「すぐ不満を持ちそうか」を判断しています。


印象に残った逆質問 7パターン

元採用担当として3年、多くの応募者を面接してきた中で「これは印象に残った」と思える逆質問を7つ共有します。

質問① 入職前にできる準備

「入職までの期間で、勉強しておくと業務開始がスムーズになることはありますか?」

このタイプの質問は、9割の応募者が聞きません。聞いた人は、それだけで印象に残ります。

採用担当としては「この人、本気で来てくれる」と感じる瞬間です。

質問② 1年後・3年後のキャリア像

「入職1年後・3年後に、どんな業務を任されている人が多いですか?」

将来の自分を「ここで」イメージしようとしている姿勢が伝わります。

短期的な不安ではなく、長期視点で職場を見ている人は、定着率が高いと判断されます。

質問③ 新人教育の体制

「新人さん向けの教育期間は、具体的にどんな流れで進みますか?」

教育体制を気にする人は「自分はちゃんと成長したい」と思っている人です。

採用担当としては「育てがいがある」と感じます。

質問④ 月末月初の繁忙期の実態

「月末月初は業務量が増えると思いますが、新人さんがスムーズに乗り切れるサポート体制はありますか?」

医療事務の業界知識を持っていることが伝わります。

「業務量が増える」を前提に質問できる人は、即戦力候補として見られます。

総合病院で10年以上働いてきた経験から言えば、月末月初の業務量は通常月の1.5倍以上になることが珍しくありません。私の現職(フルリモート医療事務)でも、月末月初は1日あたりの算定件数が普段の1.3〜1.5倍に増えます。この前提を理解していると伝わるだけで、評価軸が1段階上がります。

質問⑤ チームの雰囲気と先輩との関係

「現場の先輩方は、新人にどんなタイミングでサポートしてくれますか?」

「先輩との関係」を直接聞くと角が立つので、「サポート」という表現で柔らかく聞くのがコツです。

職場の人間関係を気にする人は、面接官側も同じ視点で答えやすいです。

質問⑥ 改善されつつある制度・取り組み

「直近1〜2年で、職員の働きやすさを改善した取り組みがあれば教えてください」

この質問は、職場の「今」を理解しようとしている姿勢が伝わります。

採用担当としては「うちの良いところを伝えられる」嬉しい質問です。

質問⑦ 採用後の評価基準

「入職後、どのような行動が評価につながりますか?」

評価基準を聞くことで、「努力の方向性を最初から合わせたい」という意思が伝わります。

採用後の活躍イメージが具体的に湧く質問です。


絶対NGな逆質問 5パターン

逆質問で不採用に近づくパターンも、明確にあります。元採用担当の本音として5つ共有します。

NG① 求人票・HPで分かることを聞く

「給与はいくらですか?」「休日は何日ですか?」

これは事前リサーチ不足の証拠です。求人票で書かれていることを聞くのは、最大のマイナス印象。

NG② ネガティブな噂を直接聞く

「離職率が高いと聞きましたが本当ですか?」「人間関係が悪いって聞いたんですが?」

事実だったとしても、聞き方が直接的すぎます。

「定着率を高めるための取り組みがあれば教えてください」のように、ポジティブ変換が必要です。

NG③ 待遇・福利厚生だけを連続で聞く

「残業代は出ますか?」「有給は取りやすいですか?」「育休は取れますか?」と待遇関連を連続で聞くと、「条件しか興味がないのかな」と思われます。

業務・職場・キャリアの質問を1〜2問挟むと印象が変わります。

NG④ 「特にありません」(無関心の合図)

質問がない=興味がない、と受け取られます。

どうしても思いつかない場合の正しい伝え方は、次の章で説明します。

NG⑤ 採用担当を試すような質問

「もし採用されなかったらその理由を教えてもらえますか?」
「他にどんな方が応募されていますか?」

採用担当との関係性を読み違えた質問です。立場を弁えていない印象を与えます。


「特にありません」の正しい伝え方

どうしても質問が浮かばない場合の、印象を下げない伝え方があります。

推奨フレーズ

「事前に求人票と病院のホームページを拝見し、伺いたいことは本日の面接で十分にお話しいただけました。ありがとうございました。一点だけ確認したいのですが、内定後に職場見学のような機会はありますか?」

このフレーズには3つの効果があります。

  1. 事前リサーチをしたことが伝わる
  2. 面接の内容を真剣に聞いていたことが伝わる
  3. 1問だけ柔らかい質問を添えて、無関心ではないと示す

さらに保険として用意しておきたい「最後の1問」

万一に備えて、面接前に「最後の1問」を準備しておきましょう。

私の元採用担当としてのお勧めは、以下です。

「最後に、〇〇病院(医院)で長く続けている職員さんに共通する特徴があれば、教えていただけますか?」

この質問は、面接官の主観を聞くことで、職場の文化や価値観を引き出せます。


内定が出やすい人の逆質問の共通点

元採用担当として、内定を出した人の逆質問には3つの共通点がありました。

共通点① 「相手の話を聞いてから」の質問

面接の中で出た話に対して、深掘りの質問をしています。

「先ほどお話しいただいたチーム体制について、もう少し詳しく伺えますか?」のように、相手の話を踏まえた質問は、コミュニケーション能力の高さが伝わります。

共通点② 「自分はこう貢献したい」を含む質問

質問の中に、自分の意思や貢献意欲が織り込まれています。

「電子カルテの操作に自信があるのですが、新人時代から積極的に任せていただける環境ですか?」のように、自分の強みと結びつけた質問は印象に残ります。

共通点③ 「3年後・5年後」を見据えた質問

短期的な不安ではなく、長期視点の質問が多いです。

「3年後、自分がこの病院で活躍しているために、入職1年目に大切にしたいことは何でしょうか?」

この種の質問は「定着してくれそう」と強く感じさせます。


逆質問で年収交渉する裏ワザ

最後に、逆質問で年収交渉につなげる裏ワザを共有します。

直接「年収を上げてください」と言わない

「年収を上げてほしい」と直接交渉すると、ほぼ失敗します。

代わりに、逆質問で間接的に年収交渉の余地を作ります。

推奨フレーズ

「これまでの経験を活かして即戦力として貢献したいのですが、入職後の評価で年収が上がる仕組みについて教えていただけますか?」

このフレーズには2つの効果があります。

  1. 「即戦力として貢献する」意思を伝える
  2. 「評価で年収が上がる」という前提を引き出す

採用担当が「うちは年功序列ですが…」と答えれば、その時点で年収体系が分かります。

逆に「実績次第で上がります」と答えれば、その後の年収交渉の余地が生まれます。

私自身、現職への転職時に、この聞き方で「経験者は入職1年目から評価対象になる」という回答を引き出せました。結果として、提示額より月1.5万円ほど上の条件で着地しています。直接「上げてください」とは一度も言っていません。


逆質問の質を1段階上げる「3段準備」

逆質問は、面接の前夜に思いつきで作るとほぼ失敗します。準備の手順を3段階に分けてお勧めします。

段階① 求人票・病院HPの「答えがある質問」を全部消す

求人票・病院HP・転職サイトの口コミで分かる項目は、逆質問の候補から消してください。給与・休日・福利厚生・診療科目・スタッフ数などは「調べていない」と判断されます。

段階② 残る「答えがない質問」を5つ書き出す

書面では分からないことを5つ書き出します。例えば次の3観点が考えやすいです。

  • 入職後の1日の流れ
  • 新人さん向けの教育の中身
  • 評価につながる行動の具体例

段階③ 面接の流れで「即興の1問」を加えられる余地を残す

面接中に出た話題に対する深掘りの質問を、1つだけ即興で加えます。「先ほどお話しいただいた○○について、もう少し伺えますか?」が定型です。事前準備5問+即興1問の合計6問あれば、どの面接時間でも対応できます。


私が大切にしたい働き方の軸(逆質問は人生の軸合わせ)

ここまで質問パターン・NGパターン・年収交渉の裏ワザを整理してきました。最後に、逆質問の「奥にあるもの」について書かせてください。

「条件を聞く」より「自分の軸と合うか確かめる」

私は前職を辞める前、面接で何度か逆質問の機会がありました。その時、給与・休日・残業ばかり気にしていた自分を、今は少し後悔しています。

本当に確認すべきだったのは、「この職場で過ごす3年後・5年後の自分が、今より少しでも好きでいられるか」でした。逆質問は、条件を聞く場ではなく、自分の軸と職場の軸が合うかを確かめる場です。

私の「働き方の軸」が言葉になるまで

10年間、片道50kmの高速通勤をしながら、朝6時起きで家を出ていた頃の自分は、軸を言葉にできていませんでした。子どもが「パパいないの」と言うようになって、ようやく「家族と過ごす夜の時間」が軸だと気づきました。今のフルリモート勤務は、その軸を確かめる質問を、転職活動の面接で1問でも入れていたら、もう少し早くたどり着けたと思います。

軸を言葉にする3つの問い

逆質問の前夜、自分にこの3つを問いかけてみてください。

  • 3年後、どんな夜の過ごし方をしていたいですか
  • 5年後、子どもや家族に何と言われたいですか
  • 10年後、振り返って「あの転職は正解だった」と思える条件は何ですか

この3つの答えが言葉になっていれば、逆質問の中身は自然と決まります。

内定が出てから後悔しないために

採用担当の側から見ても、軸が言葉になっている応募者は強いです。「条件は他社の方が良いけれど、ここの方が自分の軸に合う」と話せる人は、入職後の定着率が圧倒的に高い。逆に、条件だけを比較していた人は、入職後1年以内に同じ理由で辞めていきます。

逆質問は、合否を決める場であると同時に、自分の人生の軸を確かめる場でもあるのです。


逆質問で人生の主導権を取り戻す

ここまで、逆質問で見ているポイント・印象に残る7パターン・NG5パターン・「特にありません」の正しい伝え方・年収交渉の裏ワザを整理してきました。

最後に1つだけお伝えしたいのは、「逆質問は、自分側からの最終判断の機会」だということです。

採用面接は、相手が自分を選ぶだけの場ではありません。自分も相手を選ぶ場です。

逆質問で得た情報をもとに、「この職場で3年後・5年後を過ごす自分」を、ちゃんと想像してみてください。

私自身、転職前の自分にこう声をかけたいです。

「面接で聞いた『改善の取り組み』が、入職後に本当に進んでいるかを、もう少し確認してから決めてもよかった」

逆質問は、入職後の後悔を減らす最後の機会です。準備時間に1時間かけても、絶対に元が取れます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 逆質問は何個用意すべき?

A. 最低3つ、できれば5つ用意してください。面接の流れで質問内容が変わるため、複数準備しておくと安心です。

Q2. メモを見ながら質問してもいい?

A. 構いません。むしろ「事前準備をしっかりしてきた」という印象を与えます。ただし、メモを読み上げるだけにならないよう、自分の言葉で話せるようにしてください。

Q3. 一次面接と最終面接で、逆質問の内容を変えるべき?

A. 変えるべきです。一次面接では業務内容・教育体制を聞き、最終面接では経営方針・将来のキャリアを聞くと差別化できます。

Q4. 面接時間が短くて、逆質問の時間がほとんどない時は?

A. 「お時間が限られていますので、最も伺いたかった1つだけ」と前置きして、最重要の質問を1つだけ聞いてください。

Q5. 逆質問で「考えていなかった質問」が浮かんだ場合、聞いてもいい?

A. 構いません。むしろ、面接の流れから新しい質問が浮かぶこと自体が「話を聞いていた」証拠になります。

Q6. パワハラ・残業時間など、聞きにくいことを聞くには?

A. 直接的な聞き方は避け、「改善の取り組み」という形で間接的に聞くのがコツです。「直近1〜2年で職場環境を改善した取り組みがあれば教えてください」が定番フレーズです。

Q7. オンライン面接でも、逆質問の重要性は同じ?

A. オンライン面接では表情が読み取りづらいため、逆質問の内容で「興味の本気度」を伝える必要があり、対面以上に重要です。

Q8. 逆質問で内定確率はどれくらい変わる?

A. 元採用担当の体感では、逆質問の質次第で合否判断が変わるのは全体の2〜3割。ただし、合格ラインギリギリの応募者にとっては決定的な判断材料になります。

Q9. 経験年数が浅い(1〜2年)でも、深い逆質問はできますか?

A. むしろ経験が浅い方が「成長意欲を伝える質問」が活きます。「入職3年目までに身につけておくと、その後の業務範囲が広がるスキルは何ですか?」など、未来志向の質問が好印象です。

Q10. 面接の最後、給与の確認だけはしておきたい時は?

A. 求人票に書かれた幅(例:年収300〜400万円)の中で、どの基準で決まるかを聞くのは問題ありません。「経験者の場合、給与レンジ内のどの基準で決定されますか?」が無難な聞き方です。


まとめ

医療事務の面接で逆質問は、合否を分ける重要な要素です。

事前準備で7パターンの質問を用意し、NG5パターンを避けるだけで、合格率は確実に上がります。

「逆質問は自分側の最終判断の機会」と捉えて、3年後・5年後、後悔しない職場選びをしてください。

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ゆう|医療事務10年以上 × 元採用担当(3年)
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