結論:高齢者の窓口負担割合は、まず年齢でおおまかに分かれ、同じ年齢でも所得で1割・2割・3割に変わります。ただ、受付や患者さん本人が割合を暗記する必要はありません。割合は保険証やマイナ保険証で確認できるからです。この記事では、総合病院で10年以上「なんで3割なの?」と聞かれ続けてきた私が、年齢別の早見表と確認のコツをやさしく整理します。

🔖 窓口負担の早わかり
- 小学校に上がる前(6歳の年度末まで):2割
- 就学〜69歳:3割
- 70〜74歳:2割(現役並みの所得がある方は3割)
- 75歳以上(後期高齢者医療):1割(所得により2割・3割)

同じ75歳でも、所得によって1割・2割・3割に分かれます。理由は本文で。

📚 医療事務が選ぶ「お金とまどう窓口」まとめ(保存推奨)
受付で迷いやすい制度は、つながっています。あわせて読むと、窓口での"知らずに損"がなくなります。

この記事でわかること

  • 年齢でこう変わる、窓口負担割合の早見表
  • 同じ年齢なのに、1割・2割・3割に分かれる理由(所得です)
  • 割合を暗記しなくていい理由と、正しい確認のしかた
  • 受付で「なんで3割なの?」と聞かれた時の、落ち着いた答え方
  • 70歳をこえた時、割合がいつ切り替わるのか

💬 この記事を書いた人
ゆう|総合病院3院で医療事務10年以上|元採用担当3年|現フルリモート医療事務|3児パパ。受付・会計で、高齢の患者さんの負担割合を何度も確認し、ご案内してきました。


まず30秒で|年齢でこう変わります

医療費の窓口負担は、年齢でおおまかに段階が分かれています。

年齢 窓口負担
小学校に上がる前(6歳の年度末まで) 2割
就学〜69歳 3割
70〜74歳 2割(現役並み所得は3割)
75歳以上(後期高齢者医療) 1割(所得により2割・3割)

働いている世代は3割で固定なので、迷うことは少ないです。ややこしくなるのは、70歳をこえたあたりからです。

💬 医療事務の現場から
受付で多かったのは、「私は何割?」よりも「結局いくら払うんですか?」という金額の質問でした。割合が変わると支払いも変わるので、ご本人もご家族も気にされます。新人だった頃の私は、その場ですぐ金額の見当をつけられず、ここがいちばん不安でした。


同じ年齢でも分かれる理由は「所得」です

「同い年なのに、なんで負担が違うんだろう」と感じる方もいます。

答えは、所得だからです。

所得の区分 窓口負担
現役並みの所得がある方 3割
一定以上の所得がある方(75歳以上・2022年10月から) 2割
一般・低所得の方 1割(後期高齢者)/2割(70〜74歳)

75歳以上の後期高齢者医療では、もともと1割が基本でした。そこに2022年の10月から、一定以上の所得がある方を2割とする区分が加わりました。

だから、同じ75歳でも、1割・2割・3割に分かれます。

⚠️ 所得の目安(後期高齢者医療・75歳以上の場合)
- 3割(現役並み所得):世帯に課税所得145万円以上の方がいる場合
- 2割(一定以上所得):課税所得28万円以上で、年金収入などの合計が単身で200万円以上(2人以上の世帯は合計320万円以上)の場合
- 1割:上記にあてはまらない場合

ただし、正確な線引きは世帯の状況で細かく変わります。最終的には券面の記載と、加入している保険者(後期高齢者医療広域連合など)にご確認いただくのが確実です。


じゃあ、結局いくら払うの?

私が受付でいちばんよく聞かれたのは、割合そのものよりも「結局いくらになりますか?」でした。

窓口で払う金額は、かかった医療費に割合をかけた分です。同じ治療でも、割合でこれだけ変わります。

医療費(10割) 1割 2割 3割
1,000円 100円 200円 300円
5,000円 500円 1,000円 1,500円
10,000円 1,000円 2,000円 3,000円

ただ、入院や手術で医療費が大きくなる月は、支払いに上限があります。高額療養費制度といって、「これ以上は払わなくていい」という天井があるしくみです。くわしくは別の記事にまとめました。

📎 入院でいくら戻る?高額療養費のしくみ


いちばん大事なこと|割合は覚えなくて大丈夫

ここまで読んで、身構えなくて大丈夫です。

窓口負担の割合は、自分で計算するものではありません。 確認すればわかるようになっています。

確認できる場所 見方
マイナ保険証 オンライン資格確認の画面に負担割合が表示されます
高齢受給者証(70〜74歳) 券面に負担割合が記載されています
後期高齢者医療被保険者証・資格確認書(75歳〜) 券面に負担割合が記載されています

受付の側も、患者さん本人も、所得を判断する必要はありません。保険者が決めて券面や資格確認に反映された割合に、そのまま従えば大丈夫です。

💡 覚えるのではなく、確認する
私が現場で大切にしていたのは、暗記ではなく「どこを見れば書いてあるか」を知っておくことでした。そこさえ押さえておけば、毎回落ち着いて対応できます。


70歳をこえると、割合はいつ切り替わる?

「先月70歳になったのに、まだ3割なんですか?」

これも受付で聞かれることがあります。

70歳になると負担割合が変わりますが、切り替わる時期は人によって少し違います。一般には70歳の誕生日の翌月から(1日生まれの方は誕生月から)、高齢受給者証の負担割合が適用されます。

迷った時は、券面の適用年月日を見ます。いつからその割合になるかが書かれています。

💬 窓口あるある
「もう70歳になったのに」と言われた時、私はまず券面の適用開始日を一緒に確認していました。日付を指でなぞりながらご説明すると、たいていの方が納得してくださいます。


受付で「なんで3割なの?」と聞かれた時の答え方

新人さんが固まりやすい場面です。落ち着いて、こんな順番で考えると楽になります。

  • まず、券面かマイナ保険証の資格確認で、今の負担割合を確認します
  • 「割合は所得によって決まっていて、券面に記載のとおりになります」と、事実だけをやさしくお伝えします
  • 所得の中身を受付で判断したり、立ち入ったりはしません
  • 判断に迷う時は、自院のルールと、加入先の保険者を確認します

💡 現場のコツ
「なぜこの割合なのか」を受付でゼロから説明しようとすると、かえって混乱します。「券面のとおりです」「ご不明な点は保険者にご確認いただけます」と、案内先を持っておくと安心です。


よくある質問(FAQ)

Q. 70歳になったら、自動的に1割になりますか?

いいえ。70〜74歳は原則2割で、現役並みの所得がある方は3割です。1割が基本になるのは、75歳からの後期高齢者医療に移ってからです。ただし所得によって2割・3割の方もいます。

Q. 同じ年齢の家族で、負担割合が違うのはなぜですか?

所得が違うからです。窓口負担は所得の区分で決まるため、同じ年齢・同じ世帯でも、おひとりおひとりで割合が変わることがあります。

Q. 自分の負担割合は、どこを見ればわかりますか?

マイナ保険証なら、対応している医療機関のオンライン資格確認の画面に表示されます。紙の場合は、高齢受給者証や後期高齢者医療の被保険者証・資格確認書の券面に記載されています。

Q. 2割負担はいつから始まったのですか?

75歳以上で一定以上の所得がある方を対象に、2022年の10月から始まりました。それ以前は1割と3割の区分でした。

Q. 割合を間違えて会計してしまったら、どうなりますか?

後から正しい割合で計算し直し、差額を精算します。心配な時は、その場で先輩や会計の担当に確認してから進めると安心です。受付の判断だけで抱え込まなくて大丈夫です。

Q. 65歳でも後期高齢者医療になることはありますか?

一定の障害がある方は、65歳から後期高齢者医療の対象になる場合があります。詳しくは、お住まいの地域の後期高齢者医療広域連合にご確認ください。


まとめ

  1. 窓口負担は、まず年齢で分かれる(就学前2割/就学〜69歳3割/70〜74歳2割/75歳〜1割が基本)
  2. 同じ年齢でも、所得で1割・2割・3割に分かれる(75歳以上の2割は2022年10月から)
  3. 割合は覚えるものではなく、券面やマイナ保険証で確認するもの

高齢の患者さんの負担割合は、新人のうちはいちばん不安な場面かもしれません。でも、どこを見れば書いてあるかさえ知っておけば、毎回落ち着いて対応できます。分からないのは、覚えていないだけです。


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✏️ 著者プロフィール詳細
ゆう|総合病院3院で医療事務10年以上、元採用担当3年として多くの方の面接を担当。マネジメント経験あり。10年間、片道約50km・朝の渋滞や一般道を含めて片道1時間の高速通勤を続けた後、転職サービス経由でフルリモート医療事務へ転換。現在は算定業務を担当する現役医療事務×3児の父。

情報ソース
- 厚生労働省 医療費の自己負担
- 政府広報オンライン 後期高齢者医療制度 窓口負担割合の見直し(2022年10月)

本記事の内容は2026年6月時点の情報です。負担割合の区分や金額の基準は、年齢・所得・お住まいの地域で変わることがあります。正確な割合は、券面の記載と、加入されている保険者(市区町村・後期高齢者医療広域連合・健康保険組合など)にご確認ください。


最終更新日:2026年6月15日 制度は変更されることがあります。最新の内容は必ず公式サイトでご確認ください。