この記事を書いた人
ゆう|医療事務10年以上 × 元採用担当(3年)× 3児のパパ
総合病院3院で勤務後、フルリモート医療事務へ転職。
前職では片道50kmの高速通勤+月残業30時間で、子どもの寝顔しか見られない日々を10年経験。現職はフルリモートで、子どもの「いってきます」と「ただいま」を毎日聞ける生活に。
最終更新:2026年5月17日
この記事でわかること
- 医療事務と子育ての両立が「きつい」と言われる本当の理由
- シフト制・固定時間制・フルリモート、3つの働き方の違い
- 私が10年間「両立できなかった」リアルな体験
- 両立を実現した5つの行動(職場選び・家事分担・送迎調整・病児対応・自分の時間)
- それでも限界を感じた時の選択肢4つ
- 3年後・5年後、後悔しない働き方の選び方
医療事務と子育ての両立が「きつい」と言われる本当の理由
医療事務と子育ての両立は、表面的な「時短勤務OK」「子育てに理解あり」だけでは語れないきつさがあります。
総合病院で10年以上、元採用担当として3年。同じ立場の女性スタッフ・男性スタッフを多く見てきた中で、両立の壁は3つに集約されます。
壁① 月末月初の業務集中で「お迎えに間に合わない」
医療事務の業務量は、月末月初の10日間に集中します。
通常時はお迎えに間に合っていた人が、月末月初だけ間に合わなくなる。延長保育・ファミサポ・夫婦どちらが対応するかで毎月もめる。これが両立の最初の壁です。
私自身、月末月初は妻に全面的に頼っていました。妻も仕事をしていたので、その10日間は家庭が回らなくなりかけたことが何度もありました。
壁② 急な発熱・行事で「休みづらい」雰囲気
医療事務の現場は、慢性的に人員ギリギリです。
子どもが急に発熱して休む時、「すみません」を何度も言う立場になります。半休・有給を取るたびに、職場の空気を肌で感じます。
「子育てに理解あり」と求人票に書いてあっても、現場の温度感は別物です。
壁③ シフト制で「土日出勤・夜診」が回ってくる
シフト制の総合病院では、土日出勤や夜診(19時まで)が交代で回ってきます。
子どもの学校行事・運動会・参観日が土曜に集中する中、「ごめんね、今度は行けない」を繰り返すことになります。
シフト制・固定時間制・フルリモート、3つの働き方の違い
医療事務の働き方は、大きく3つに分かれます。子育てとの相性を整理します。
| 働き方 | 残業 | 土日 | 急な休み | 子育て相性 |
|---|---|---|---|---|
| シフト制(総合病院) | 月末月初に集中 | 交代で出勤あり | 取りづらい | △〜× |
| 固定時間制(クリニック) | 院長次第 | 基本休み | 院長次第 | ○〜△ |
| フルリモート | 基本なし | 基本休み | 取りやすい | ◎ |
シフト制の現実
シフト制は「土日含む週5日勤務」が基本。土日のどちらかは出勤、平日のどこかが休み、というパターンが多いです。
子どもの行事に合わせて休み希望を出せますが、月末月初は希望が通りづらいです。
固定時間制の現実
クリニックは平日9-17時の固定時間が多く、土日完全休み。一見、子育てと相性が良さそうです。
ただし、院長の方針次第で残業が発生します。受付終了時刻が17時でも、最後の患者が18時まで残っていれば、レセコメント入力で19時まで残ることもあります。
フルリモートの現実
フルリモート医療事務は、まだ求人数が限られますが、子育てとの相性は最強です。
私自身、転職してフルリモートになってから、以下が変わりました。
- 朝の送り出しに余裕(出勤準備の30分が浮く)
- お迎え時間に合わせて昼休憩をずらせる職場もある
- 急な発熱で半休を取りやすい
- 残業がないので、夕食を家族と食べられる
私が10年間「両立できなかった」リアルな体験
医療事務歴10年以上の中で、両立できていなかった期間が長くありました。
朝6時起き・夜21時帰宅の日々
前職の総合病院では、片道50kmの高速通勤でした。
朝6時起き、6時半に家を出て、職場到着7時45分。残業がある日は19時退勤、家に着くのが21時。子どもは既に寝ています。
「パパ、いないの?」と長女に言われたのは、当時小学校3年生の時でした。胸が締め付けられたのを今でも覚えています。
月末月初は妻に全任せ
月末月初の10日間は、月の残業が一気に20時間。19時退勤が21時退勤になり、家に着くのは23時。
その期間は妻が全てを回していました。仕事をしていた妻に「ごめん、また今月もよろしく」と頼む日が10年続きました。
「両立しているフリ」だった
職場では「子育てとの両立、頑張ってます」と言っていましたが、本当は両立できていませんでした。
仕事に全力、家庭は妻に依存。これが10年続いた結果、家族との関係に小さな亀裂が生まれていきました。
両立を実現した5つの行動
転職してフルリモート医療事務になり、本当の意味で両立できるようになりました。その過程で見えた5つの行動を共有します。
両立を実現する5つの行動 一覧
具体策に入る前に、5つの行動を一覧にしておきます。
| 行動 | 効果 | 始めやすさ |
|---|---|---|
| ① 両立できる職場を選び直す | ★★★(根本解決) | △(時間がかかる) |
| ② 家事の見える化と分担 | ★★(毎日のストレス減) | ◯(今日から可) |
| ③ 送迎を業務カレンダー化 | ★★(罪悪感が消える) | ◯(職場合意要) |
| ④ 病児対応3段階の備え | ★★(緊急時の安心) | ◎(今日から可) |
| ⑤ 自分の時間を週1死守 | ★(燃え尽き予防) | ◎(今日から可) |
すぐ始められるのは②④⑤、根本解決は①です。順番にこなす必要はなく、できるところから始めてみてください。
行動① 「両立できる職場」を選び直す勇気を持つ
最大の変化は、職場を変えたことでした。
総合病院でいくら頑張っても、構造的に両立は難しい。これを認めて転職活動を始めたのが、両立への第一歩でした。
職場選びの軸を「給与」から「自分の人生で何を大切にしたいか」に変えると、選択肢の優先順位が変わります。
行動② 家事の見える化と分担
両立のためには、家事の分担を「言葉にして」決める必要があります。
我が家では、以下のようにルール化しました。
- 平日朝の支度:私
- 平日夕食準備:妻
- 週末の食事:交代
- 子どもの送迎:当番制(月初にカレンダーで決める)
「察してほしい」ではなく、明文化することで、もめごとが激減しました。
行動③ 子どもの送迎を「自分のスケジュール」に組み込む
私の場合、フルリモートになってから、子どもの送迎を「業務カレンダー」に組み込みました。
15時に小学校へお迎え、その後30分の家事タイム、17時から業務再開。職場とも事前に共有しています。
「働きながら親をやる」を、隠さずにスケジュール化することがコツです。
行動④ 病児対応の「3段階の備え」
子どもの急な発熱は避けられません。3段階で備えておくと安心です。
- 第1段階:自分が休む(有給・半休)
- 第2段階:妻と分担(交代で半日ずつ)
- 第3段階:病児保育・ファミサポを使う
第3段階を「最後の手段」として準備しておくだけで、職場への申し訳なさが減ります。
行動⑤ 自分の時間を週1で死守
両立で見落とされがちなのが、「自分の時間」です。
子育てと仕事だけで全ての時間が埋まると、3年後・5年後に燃え尽きます。週1回、30分でいいので「自分だけの時間」を確保してください。
私の場合は、土曜の朝6時から1時間、家族が起きる前の読書時間です。
それでも限界を感じた時の選択肢4つ
ここまでの行動を実践しても、構造的な原因(職場の文化・配偶者の事情・地域の保育環境)で両立が難しい場合があります。
その時の選択肢を4つ整理します。
選択肢① フルリモート医療事務に転職
私が選んだ選択肢です。年収は60万円下がりましたが、子どもと過ごす時間が圧倒的に増えました。
時給換算で考えれば、実質的にはプラスです。詳しくは 医療事務 フルリモート 求人ガイド を参考にしてください。
選択肢② 時短勤務制度がある総合病院への転職
総合病院でも、時短勤務制度を整備している病院は増えています。
ただし、制度として用意されていても「使いづらい雰囲気」がある場合もあります。面接時に「直近1年で時短勤務を取得した人数」を必ず聞いてください。
選択肢③ 一旦離職して、子どもが小学校に上がってから復職
幼児期の数年だけ離職し、子どもが小学校に上がってから復職する選択肢もあります。
ブランクが2〜3年なら、医療事務に戻れます。ただし、電子カルテのバージョンや診療報酬改定が進むため、月1回程度のニュースチェックを継続してください。
選択肢④ パートナーの働き方を変える
最後に、パートナー側の働き方変更も視野に入れてください。
「自分が両立する」だけが選択肢ではありません。家庭としてどちらの働き方を変える方が合理的かを、夫婦で話し合ってみてください。
3年後・5年後、後悔しない働き方を
ここまで、両立がきつい理由・働き方3パターン・両立を実現する5つの行動・限界時の選択肢4つを整理してきました。
最後に1つだけお伝えしたいのは、「両立は努力ではなく、選択の積み重ね」だということです。
3年後・5年後、振り返ったときに、子どもとの時間・家族との関係・自分の人生をどう生きていたいか。
私自身、転職前の自分にこう声をかけたいと思います。
「もっと早く、職場を変える勇気を持っていてよかった」
逆に、両立を諦めなかったけれど健康を壊した人にも会ってきました。その人たちには、別の声をかけたいです。
「両立を頑張ることは、自分を犠牲にすることじゃない」
正解はありません。
ただ、3年後・5年後の自分が、今の自分にどう声をかけてくれるかを、判断の軸にしてみてください。
「両立できなかった10年」を振り返って、今思うこと
3児のパパとして10年医療事務を続けて、両立について考え直す機会が何度もありました。
一番大きな転機は、当時小学校3年生だった長女に「パパ、いないの?」と言われた朝です。前日の月末月初で23時帰宅、その日も6時に出勤、というサイクルの中で、子どもにとって「パパは家にいない人」になっていたことに、その時はじめて気づきました。
「年収」と「子どもとの時間」、天秤の置き方
転職を決めた時、一番悩んだのは年収です。460万円から400万円、60万円のダウン。生活設計を考え直さなければなりませんでした。
ただ、時給換算で計算してみると、見え方が変わりました。
- 前職:年収460万 ÷ 年労働2,160時間(月180時間×12)=時給約2,130円
- 現職:年収400万 ÷ 年労働1,920時間(月160時間×12)=時給約2,080円
時給はほぼ変わらず、通勤2時間と残業30時間が消えた分、毎日3時間ほど自分の時間に戻ってきた計算です。子どもの「いってきます」と「ただいま」が毎日聞ける生活は、その3時間の中にありました。
「両立は努力ではなく、設計」だと気づいた
10年かけて気づいたことを一言にすれば、「両立は気持ちの問題ではなく、働き方の設計問題」です。
総合病院のシフト制で月末月初の構造を抱えたまま、努力だけで両立しようとすると、必ずどこかにしわ寄せが行きます。家族か、自分の健康か、職場での評価か。
私が選んだのは、「働き方そのものを設計し直す」という道でした。3年後・5年後の自分から見て、今の働き方が「子どもの何歳の時間と引き換えになっているのか」を、一度紙に書き出してみてください。
子育てとは別軸ですが、職場の人間関係に悩んでいる時は 医療事務の人間関係|看護師さんとの付き合い方 も役に立つはずです。
よくある質問(FAQ)
Q1. 男性医療事務でも子育てとの両立はできますか?
A. できます。私自身、3児の父として10年以上医療事務を続けています。フルリモートに転職してからは、男女関係なく両立の選択肢が広がりました。
Q2. 時短勤務は給与がどれくらい下がりますか?
A. 一般的に、勤務時間の比率分が下がります(6時間勤務なら8時間の75%)。ただし、賞与・退職金の計算に影響する場合があるので、就業規則で確認してください。
Q3. 育休後の復職で、現場に戻れますか?
A. 法律上、原則として元の業務に戻れますが、現場の状況により担当業務が変わる可能性があります。復職前に上司と面談し、希望業務を伝えておくことをお勧めします。
Q4. 子どもが熱を出した時、職場に何と伝えるべき?
A. 「申し訳ありませんが、子どもが発熱したため、本日お休みをいただきます。明日の業務は◯◯を優先します」のように、簡潔+次の動きをセットで伝えると印象が良いです。
Q5. パート医療事務と正社員、子育てとの相性はどちらが良い?
A. 短期的にはパートが両立しやすいですが、長期的にはキャリア・年金・退職金の面で正社員が有利です。子どもが小学校高学年になったら正社員復帰を視野に入れる選択肢もあります。
Q6. シフト制で土曜出勤が固定になる場合、行事と被ったらどうする?
A. 半年に1回程度なら、上司に相談すれば調整可能な職場が多いです。ただし「毎週土曜の行事」など頻度が高い場合は、固定時間制やフルリモートへの転職を検討する時期かもしれません。
Q7. 病児保育の登録はいつすべき?
A. 子どもが0歳の時点で登録しておくと安心です。実際に使うのは数回でも、「いざという時に使える」という安心感が、両立のストレスを減らします。
Q8. 配偶者の理解が得られない時、どうしたら?
A. 「医療事務の月末月初がどれくらい大変か」を数字で見せてください。月の残業時間・退勤時間の実績を1ヶ月分共有すると、配偶者の理解が一気に進むことがあります。
まとめ
医療事務と子育ての両立は、構造的に難しい部分があります。
ただ、「働き方を変える」という選択肢を視野に入れれば、両立は実現可能です。
5つの行動で今すぐ改善できる部分から始めて、それでも限界を感じる時は、4つの選択肢から働き方そのものを変えることも検討してください。
3年後・5年後、振り返ったときに「あの時の判断は、自分と家族にとって正しかった」と思える選び方を、応援しています。
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ゆう|医療事務10年以上 × 元採用担当(3年)× 3児のパパ
総合病院3院で勤務後、フルリモート医療事務へ転職。
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