この記事でわかること

  • 医療事務で取るべき主要3資格の比較と選び方
  • 元採用担当が実際に評価していた資格
  • 通信講座・独学・スクールの選び方
  • 働きながらでも最短合格できるロードマップ
  • 「資格を取ってから転職」で失敗する人の共通点
  • 資格取得後の動き方

医療事務の資格は必要?元採用担当の本音

先に結論をお伝えします。

医療事務の資格は、「必須ではないが、あると確実に有利」です。

元採用担当として面接してきた多くの方のうち、資格ありの方は書類通過率が明らかに高かったです。ただし、「資格があれば即採用」ではないのも事実です。

厚生労働省の職業情報提供サイト job tag「医療事務」でも「特別な資格は必須ではないが、関連資格があると有利」と紹介されています。

元採用担当が資格で見ていたポイント

  • 学ぶ姿勢がある方だと分かる(スクリーニング初期で重要)
  • 未経験でも基礎用語が通じる(研修コストが下がる)
  • 本気度が伝わる(簡単には辞めないだろうと判断される)

一方で、資格だけで人柄や誠実さは判断できません。だから「資格+面接対応」でセットで強くなるというのが正確な表現です。

💬 元採用担当の本音
資格は「入口の鍵」です。鍵が開いた後、面接でどう振る舞うかは別の話。資格と並行して面接対策も進めてください。


医療事務の主要3資格を徹底比較

医療事務の資格は10種類以上ありますが、未経験者が現実的に検討すべきは3つに絞れます。それ以外は補助的な位置付けです。

主要3資格 比較表

項目 メディカルクラーク 診療報酬請求事務能力認定試験 医療事務管理士
正式名称 医療事務技能審査試験 診療報酬請求事務能力認定試験 医科医療事務管理士技能認定試験
運営 日本医療教育財団 日本医療保険事務協会 JSMA技能認定振興協会
難易度
合格率目安 約60〜70% 約30% 約50%
受験資格 制限なし 制限なし 制限なし
試験回数 年12回 年2回(7月・12月) 年6回(隔月)
受験料 7,700円 9,000円 7,500円
認知度 ◎ 業界最高水準 ◎ 最難関で評価が高い ○ 中小医療機関で評価
評価される場面 幅広く評価される 転職・算定・業務委託で強い 中小医療機関で評価

※合格率・受験料は年度により変動します。各協会の最新情報を必ず確認してください。

① メディカルクラーク(医療事務技能審査試験)

特徴:医療事務系資格の中で最も認知度が高い資格。受付応対・接遇・診療報酬請求の3領域が出題される総合型。

向いている人
- まずは「医療事務の資格を持っている」状態を作りたい方
- 接遇・患者対応にも自信を持ちたい方
- 年12回の試験から都合の良い時期を選びたい方

選ぶ理由:認知度が高く、求人票で「メディカルクラーク資格保持者優遇」と書かれていることが多いです。

② 診療報酬請求事務能力認定試験

特徴業界最難関。レセプト業務に直結する深い知識が問われる。合格者の絶対数が少なく、取得者は転職市場で重宝されます。

向いている人
- 実務経験がある経験者
- レセプト業務に深く関わりたい方
- 業務委託・在宅レセプト点検を目指す方

選ぶ理由:取得すれば「ベテラン医療事務」と同等の扱いを受けることもあります。難易度が高いため、未経験からの一発合格は厳しいです。

③ 医療事務管理士(医科医療事務管理士技能認定試験)

特徴:マークシート+実技(レセプト点検)で構成。受験ハードルがメディカルクラークより少し低く、隔月で試験があるため取り急ぎ資格が欲しい方に向いています。

向いている人
- 中小医療機関への就職を目指す方
- 短期間で1つ資格を取りたい方
- 在宅受験を希望する方(在宅受験可)

選ぶ理由:在宅受験ができるため、子育て中・遠方在住の方でも受けやすい資格です。


元採用担当の視点で「本当に評価される」のは?

正直に言うと、元採用担当として一番評価していたのは「診療報酬請求事務能力認定試験」です。

理由は3つ:

  1. 難易度が高く、取得者の絶対数が少ない
  2. レセプト業務に直結する知識を持っていると分かる
  3. 本気度が書類の段階で伝わる

ただし、難易度が高い分、未経験者がいきなり挑戦するのは負担が大きいです。そこで、段階的に取るのが現実的なルートです。

現実的なおすすめルート

【ステップ1】 メディカルクラーク or 医療事務管理士 → 基礎固め・書類通過率UP
【ステップ2】 入職後、数ヶ月〜1年の実務経験を積む
【ステップ3】 診療報酬請求事務能力認定試験 → 市場価値を上げる

これが、私が元採用担当として「こういう動き方の方は伸びるな」と感じていたパターンです。

資格選びの最終判断軸

迷ったときの判断軸を3つに絞ります。

状況 おすすめ資格
まず1つ取って就職活動したい メディカルクラーク
在宅受験を希望する 医療事務管理士
実務経験あり・市場価値を上げたい 診療報酬請求事務能力認定試験

独学・通信講座・スクール、どれを選ぶ?

学習方法の選び方を、コスト・時間・合格率の観点で整理します。

独学(書籍+過去問)

  • 費用:5,000〜15,000円程度
  • 向いている人:コツコツ進められる・時間に余裕がある
  • デメリット:最新の診療報酬改定に対応した情報が取りづらい

通信講座

  • 費用:30,000〜70,000円程度
  • 向いている人:働きながら・家事育児と両立しながら学びたい
  • メリット:最新のテキスト・サポート体制・添削指導
  • 私のおすすめ働きながらなら通信講座一択です

通学スクール

  • 費用:80,000〜150,000円程度
  • 向いている人:短期集中・対面で質問したい
  • デメリット:費用・時間の負担が大きい

3つの方法 比較表

方法 費用 期間 合格率の傾向 サポート
独学 〜1.5万円 6〜12ヶ月 低〜中 なし
通信講座 3〜7万円 3〜6ヶ月 中〜高 添削・質問対応
通学スクール 8〜15万円 3〜6ヶ月 対面指導

通信講座を選ぶときの4つのチェックポイント

通信講座選びで後悔しないためのポイントです。

① 目指す資格に対応しているか

「医療事務講座」とまとめて言っても、対応している試験が講座によって違います。自分が取りたい資格(メディカルクラーク or 医療事務管理士 or 認定試験)に対応しているかを最初に確認します。

② 添削・質問対応があるか

学習の中だるみを防ぐのは、添削とサポートです。独学で挫折した方の多くは「分からない所が分からない」状態で止まっています。質問できる講座を選ぶと、合格率が変わります。

③ 受験料が講座料に含まれているか

講座によっては、受験料込みのコースがあります。総額で比べると、意外と差が出ます。

④ 合格まで標準学習期間がどれくらいか

3ヶ月・6ヶ月・1年など、講座ごとに想定期間が違います。自分の生活リズムに合う期間を選ぶのが最も大事です。


働きながら最短合格するロードマップ(3〜6ヶ月)

子育て・仕事と両立しながら取るなら、このペース配分がおすすめです。

【第1ヶ月】基礎固め

  • 医療保険制度の全体像を把握
  • 診療報酬点数表の読み方を覚える
  • 1日30分の学習を継続

【第2〜3ヶ月】算定の基本

  • 基本診療料(初診・再診)
  • 投薬・注射・処置の算定
  • 週1回のまとめテスト

【第4〜5ヶ月】応用と過去問

  • 手術・麻酔・検査の算定
  • 過去問を2周する
  • 苦手分野の洗い出し

【第6ヶ月】総仕上げ

  • 模擬試験を時間を計って解く
  • 頻出論点を復習
  • 試験前1週間は新しい論点に手を出さない

続けるコツ

  • 朝30分を固定する(夜は疲れて集中できない方が多数)
  • 週1回は休む(ペースが崩れない)
  • 学習記録をつける(SNSでもOK・モチベが続く)

「資格を取ってから転職する」で失敗する人の特徴

元採用担当として見てきた中で、資格を取っても次につながらない方の共通点があります。

1. 資格取得が目的化している

「とりあえず資格を取る」で止まってしまう。取得後に何をするか決めていないので、転職活動に移る前に熱量が切れます。

2. 実務経験がないまま難関資格に挑む

未経験のまま診療報酬請求事務能力認定試験に挑戦して、2〜3回不合格で挫折する方が多いです。段階を踏むことをおすすめします。

3. 求人を見ないまま学習だけ続ける

「資格を取ってから求人を見る」は逆です。求人を見ながら、自分の市場価値を把握しつつ学習するのが正解です。


資格取得後の流れ|次にやるべきこと

資格を取得したら、次にやるべきことを順番に整理します。

Step 1:履歴書・職務経歴書に資格を反映

「2026年◯月 メディカルクラーク 取得」と正式名称+取得月を明記。学習期間中に学んだ内容(診療報酬制度・レセプト基礎など)も自己PRに織り込みます。

Step 2:医療・福祉特化型サイトに登録

大手総合サイトより、医療・福祉特化型サイトの方が「資格保持者優遇求人」が多いです。資格名で求人を絞り込めるサイトを選んでください。

Step 3:応募前に面接対策

資格があっても、面接で躓くと意味がありません。志望動機・退職理由・逆質問の準備は、応募と並行して進めます。

💡 面接対策は 医療事務の面接で受かる人の特徴5つ|元採用担当が見ていた合格基準【2026年】 にまとめています。

Step 4:応募開始(3〜5社に絞る)

数を打つより、絞って志望動機を書き分ける方が通過率は高いです。詳しくは 【2026年版】未経験から医療事務へ|元採用担当が教える求人選びで失敗しない全手順 を参考にしてください。


FAQ|医療事務の資格に関するよくある質問

Q1. 資格なしでも医療事務になれますか?

なれます。実際、私自身も未経験・無資格からスタートしました。ただし、元採用担当としては資格ありの方を優先していたのも事実です。

Q2. 通信講座の費用対効果はありますか?

働きながら取るなら通信講座が最も効率的です。独学より合格率が上がり、時間も短縮できます。3〜6ヶ月の投資で転職市場での価値が上がるので、コスパは高いです。

Q3. 主婦・子育て中でも取れますか?

取れます。1日30分〜1時間の学習時間を作れれば、3〜6ヶ月で基礎資格は取得可能です。通信講座なら自分のペースで進められるので、家事育児との両立もしやすいです。

Q4. 資格を取ってから転職活動する方がいいですか?

同時並行がおすすめです。求人を見ながら、自分が目指したい医療機関の規模・条件を把握しつつ、資格学習を進める方が、モチベーションも維持できます。

Q5. 難関資格(診療報酬請求事務能力認定試験)は未経験でも取れますか?

取れますが、実務経験があるほうが圧倒的に有利です。まず入門資格で基礎を作り、入職後に実務経験を積んでから挑戦する方が合格率は上がります。

Q6. 資格を取れば給料は上がりますか?

直接上がる医療機関は少ないのが現実です。ただし、資格手当(月1,000〜5,000円)が付く医療機関もあり、転職時の年収レンジは確実に上がります。

Q7. 複数の資格を取る必要はありますか?

基礎系1つ+認定試験レベル1つで十分です。同じレベルの資格を複数取る意味は薄いです。

Q8. 3資格のうち、最初に取るなら?

迷ったらメディカルクラークです。認知度が業界最高水準で、求人票での評価が安定しています。在宅受験を希望するなら医療事務管理士、難関に挑むなら診療報酬請求事務能力認定試験です。

Q9. 資格の有効期限はありますか?

3資格ともに有効期限はありません。一度取得すれば履歴書に書き続けられます。ただし診療報酬は2年に1度改定されるため、知識のアップデートは必要です。

Q10. 仮に時給2,000円として、資格取得は元が取れますか?

通信講座5万円・学習100時間・時給2,000円換算で機会費用25万円。合計30万円の投資です。資格手当月3,000円が付くと年36,000円、転職時の年収UP分も含めると、おおむね2〜3年で回収できる計算になります。


まとめ|資格は武器、でも「人柄+実務姿勢」が上回る

  • 医療事務の資格は必須ではないが、あると確実に有利
  • 未経験者の現実的な選択肢はメディカルクラーク・診療報酬請求事務能力認定試験・医療事務管理士の3つ
  • 最終目標は診療報酬請求事務能力認定試験。ただし段階を踏む
  • 働きながらなら通信講座が最も効率的
  • 「資格を取ってから転職」ではなく、並行して動くのが正解
  • 元採用担当として断言:資格+面接対応で差がつく

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著者プロフィール
ゆう|医療事務10年以上・元採用担当3年・現フルリモート
自身も未経験・無資格から医療事務の世界に入りました。元採用担当として見てきた多くの方の面接から、「資格と人柄のバランス」を実感値で語れる立場です。
Instagram: @iryo_jimu | note: h_kei_creator

最終更新日:2026年5月17日