「先生や看護師さんに、なんとなく軽く見られている気がする」「報告しても話を聞いてもらえない」「チームの一員として扱われていない感じがする」「何か伝えようとするとめんどくさそうにされる」
この記事を読むと、こんなことがわかります。
✅ 医師・看護師に「この人は使える」と思われる報告の仕方
✅ 「事務なのに頼りになる」と言われるようになった連携のコツ
✅ 空気を読まなくていい「構造的な伝え方」
✅ 忙しい朝・機嫌が悪い日など、シチュエーション別の連絡方法
✅ 信頼を積み上げるための毎日の小さな行動
結論から言うと、医師や看護師に信頼されるかどうかは、仕事の速さより「伝え方の構造」で決まります。伝え方を変えるだけで、職場での立ち位置が変わります。
「事務は黙って処理してればいい」という空気の中で
入職して数年、私はずっと「空気」を感じていました。
先生に話しかけようとすると「今忙しい」と言われる前に手で制される。看護師さんに確認を取ろうとすると「そのくらい自分で判断して」と言われる。何かを伝えようとするたびに、「邪魔された」という表情をされる。
「医療事務って、チームとして必要とされていないのかも」と思い始めていました。
総合病院で10年以上働く中で、最初の3年はずっとこの感覚と戦っていました。朝6時に起きて、片道50kmの道のりを高速で1時間。それだけ通って来ているのに、職場では透明人間のような扱いをされている気がする。帰りの車の中で「今日も誰かに迷惑をかけた」と何度反省したか、覚えていません。
でも、ある時気づきました。問題は私が「邪魔者」なのではなく、伝え方が「邪魔なタイミング」で「邪魔な形式」だったことでした。
医師が「この事務さん、助かる」と思う瞬間
10年働いて、先生たちが何を嫌がって何を助かると感じているかがわかってきました。
| 嫌がられる伝え方 | 助かると言われる伝え方 |
|---|---|
| 「〇〇のことなんですが、実は…」と前置きが長い | 「△△患者様、病名追加OKですか?YES/NOで返信ください」 |
| 診察中の先生に「ちょっといいですか」と声をかける | 電子カルテのメッセージに要件だけ入れる |
| 「どうすればいいでしょうか?」と全部聞く | 「〇〇と思いますが合っていますか?」と確認する |
| 複数の案件を一度に話す | 1件ずつ、1文でまとめる |
一番大きかったのは「どうすればいいですか?」から「〇〇と思いますがいいですか?」に変えたことです。医師は一日に何百の判断をしています。「考えさせる質問」より「確認するだけの質問」の方が、圧倒的に返事が速くなりました。
NG例 / OK例
NG例
「先生、お疲れさまです。あのー、田中様の件なんですけど、今日の診察で病名が増えたんですが、これカルテに追加した方がいいのかどうかちょっと迷ってまして…」OK例
「田中様、病名『高血圧症』追加でよろしいですか?YES/NOで返信ください」
同じ内容でも、所要時間は前者が30秒、後者が3秒です。先生の判断負荷も10分の1になります。
シチュエーション別:医師への伝え方
「いつもの伝え方」が通用しない場面があります。状況によって少しずつ調整します。
| シチュエーション | 伝え方のコツ |
|---|---|
| 朝の外来開始直前 | 緊急以外は電子カルテメッセージへ。声かけは避ける |
| 診察中(次の患者待ち) | カルテを閉じた一瞬の隙のみ。1文で完結させる |
| 救急対応中 | 一切声をかけない。落ち着いてから一括で渡す |
| 機嫌が悪そうな日 | 対面を避け、文字で「YES/NO質問」のみ送る |
| 退勤直前 | 翌日でいい案件は翌日に。緊急のみメッセージ |
「機嫌が悪そうな日」は、私が一番大事にしている判断軸です。人間なので、誰でも調子の悪い日があります。その日は対面でのやりとりを最小化し、文字に逃がす。これだけで余計な摩擦が消えます。
看護師さんに「この事務さんは信頼できる」と思われること
看護師さんとの連携で、私が最も意識していたのは「余計な仕事を作らないこと」でした。
看護師さんは医師の指示対応・処置・患者さんの状態確認と、常に複数のことを同時にこなしています。その中で医療事務からの確認依頼が来た時、一番困るのは「何を確認してほしいのかわからない」依頼です。
| 困る依頼の例 | 改善した伝え方 |
|---|---|
| 「田中さんのことなんですが…」 | 「田中さん(12号室)の血圧の記録時刻、確認お願いできますか?」 |
| 「先生に確認してほしいことがあって…」 | 「外来管理加算の算定について、先生に確認いただけますか?YES/NOで大丈夫です」 |
「名前・内容・必要なアクション」を最初の一文に全部入れると、相手が「次に何をすればいいか」をすぐ理解できます。
看護師さんへの依頼で使える1文テンプレ
「【患者さん名(病室・受付番号)】の【内容】、【お願いしたいアクション】お願いできますか?」
このテンプレ1個だけで、ほぼ全ての依頼が伝わります。複雑なものでも、まずこの1文を冒頭に置き、詳細は後ろに足すだけです。
「事務なのに頼りになる」と言われた出来事
入職6年目の頃、救急対応が重なってカルテの処理が大量に積み上がった日がありました。
私がその日やったのは「先生方が後で判断しなければいけない案件」を全部リストアップして、「確認が必要な患者さん一覧」を1枚の紙にまとめて、診察の合間に先生の手元に置いたことです。ほんの15分の作業でした。
その日の夕方、担当の先生から「あのリスト、すごく助かった。どこに頼めばいいかわかりやすかった」と言ってもらえました。その一言が、私の仕事への向き合い方を変えました。
「事務は処理するだけ」ではなく「先生が動きやすい状態を作ることも仕事のひとつ」と思い始めた瞬間でした。
それから、私の中で一つのルールができました。「自分のためのリストは作らない。先生・看護師さんが動きやすくなるリストだけ作る」。このルールに切り替えただけで、職場での扱われ方が明らかに変わりました。
毎日の「小さな信頼の積み上げ方」
大きな貢献より、小さなことを毎日続ける方が信頼は積み上がります。
| 行動 | 効果 |
|---|---|
| 先生へのメッセージは1件1文にまとめる | 「この人の連絡は簡潔でわかりやすい」という印象が定着する |
| 確認待ちの案件は必ずリマインドする | 「抜けがない人」という信頼が生まれる |
| 看護師さんへの依頼には必ず「名前・内容・アクション」を入れる | 「依頼が明確な人」という印象になる |
| 間違えたらすぐ謝って修正する | 「誠実に動く人」という信頼が積み上がる |
| 締切前日には必ず一声リマインド | 「忘れない人」として記憶される |
どれも特別なスキルは必要ありません。「伝え方の習慣」を変えるだけです。
元採用担当として見ていた「信頼される事務」の共通点
3年間、元採用担当として面接にも関わっていました。「現場で先生・看護師から信頼されている事務」には共通点がありました。
- 質問が短い
- 依頼が明確
- リマインドを忘れない
- 自分の判断を一言添える
- 間違いを隠さない
逆に「能力は高いのに浮いている事務」は、伝え方が長く・複雑で・相手の時間を奪う形式になっていました。能力ではなく、形式の問題です。
よくある質問(FAQ)
Q. 先生に話しかけるタイミングがわかりません
診察と診察の間の15〜30秒が最もタイミングがいいです。カルテを閉じた瞬間がサインです。それ以外の場合は、電子カルテのメッセージ機能を使う方が邪魔になりません。
Q. 看護師さんと仲良くなれなくて孤立しています
仲良くなることと信頼されることは別の話です。仲良くなれなくても「この人の依頼は明確でわかりやすい」という評価は積み上がります。まず「仕事の伝え方」を整えることが先です。
Q. 先生に対して緊張してしまい、うまく話せません
緊張するなら話さなくていいです。電子カルテのメッセージ機能を使って「YES/NOで返信ください」という形にすれば、直接話す必要がなくなります。緊張をなくすより、緊張しなくていい仕組みを作る方が現実的です。
Q. 報告が後回しにされて困っています
「今日中に確認が必要です」という期限を添えて送ってください。「確認お願いします」だけでは優先度が伝わりません。「レセプト提出まで〇日なので、今日中にご確認いただけますか」という一文で、緊急度が明確になります。
Q. 医療事務は医師や看護師より立場が下なのですか?
役割が違うだけで、立場が上下にあるわけではありません。ただ、現場では「経験が長い人・専門性が高い人」の発言が重視されやすいのは事実です。立場を変えようとするより「この人の仕事は助かる」という評価を積み上げる方が、現実的に職場が動きやすくなります。
Q. フルリモートで算定業務をしている場合も同じことが言えますか?
言えます。リモートでは対面のコミュニケーションがない分、文字での伝え方が全てになります。「名前・内容・必要なアクション」を1文に入れる習慣は、チャットやメールでも同じように機能します。むしろリモートの方が「形式の良し悪し」がはっきり評価に出ます。
まとめ
- 信頼されるかどうかは仕事の速さより「伝え方の構造」で決まる
- 医師への確認は「YES/NOで答えられる形」に変えるだけで返信速度が劇的に上がる
- 看護師への依頼は「名前・内容・必要なアクション」を最初の一文に入れる
- シチュエーション別に「対面 / 文字」を使い分けると摩擦が消える
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著者プロフィール
ゆう|医療事務10年以上・現フルリモート
総合病院で10年間医療事務を務めました。「事務は黙って処理してればいい」という空気の中にいた時期があります。伝え方を変えてから、職場での動き方が全然変わりました。現在はフルリモートで算定業務をしながら、3人の子どもを育てています。
Instagram: @iryo_jimu
最終更新日:2026年5月17日